古代ギリシャ・マケドニアの属国のマグネシアで製造された古代ギリシャの「ドラクマ銀貨」です。コインの表(おもて)面はライオンの頭を兜としてかぶったヘラクレスの顔、裏面には最高神ゼウスの全身が描かれています。ヘラクレスの目は瞳からまつ毛まで緻密に彫られています(1枚目の写真参照)。このヘラクレスの顔はアレキサンダー大王(在位紀元前336年-323年)の顔を写したものです。裏面のゼウスは右手にはワシ、左手には長い杖を持ち、座椅子に座り台座に片足を掛けています。長い杖の右にアレキサンダー(AΛEΞANΔPOY)とギリシャ文字で書かれています。ゼウスの体の筋肉(上腕二頭筋や腹筋)や腰から足首までに掛かった衣の風合いまで細部に表現された芸術性の高さに驚きます(2枚目の写真参照)。このコインが製造されたマグネシア(Magesia o the Maeader)はエーゲ海のアテネの対岸の古代小アジアにありました(5枚目の地図参照)。マグネシアは当時最高のコイン製造技術を持っていました。このコインがマグネシアで製造された根拠は、ゼウスの座椅子の右横にあるリボンが巻かれた杖のシンボル(6枚目写真の赤丸を参照)がマグネシア製造コイン一覧資料の中の一枚のシンボル(7枚目写真の青枠参照)と一致することです。このシンボルのある同型のマグネシア製造のコインをネットで見つけましたので8枚目の写真にアップします。このコインはギリシャ本土からペルシャ、エジプトまでアレキサンダー大王が征服した全土(9枚目写真を参照)で製造されたため現存数が非常に多いのですが、逆にこれほどダメージの少ないまるで昨日製造したかのようなキレイなコインは非常に稀です。状態は写真で良くご確認ください。このような完璧な保存状態のコインには二度と出会えないと思い世界的なコイン専門ネットショップ「Vcois」で購入しました。美術的な完成度の高さはネットで同様の多くのコインと比較し確認して頂ければ容易にご理解頂けると思います(メルカリでもアレキサンダー大王で検索すれば幾つか比較できます)。10枚目の写真はアレキサンダー大王とダレイオス3世が戦ったイッソス合戦図(ポンペイ出土のモザイク画)です。サイズは直径17mm,4.28g(1ドラクマ=4.3g)です。商品は写真のギリシャコインとプラスチックケースのみで他に付属品はありません。